変装皇子*番外編*

2/22
前へ
/24ページ
次へ
゙あれが第二皇子のリイト様…?゛ ゙聞いた?あの方の母親…は…なんですって。゛  声を潜めて、廊下の通路を譲りながらも侮蔑の表情を露わにするご婦人方。 上層部の家族も一緒に城で暮らすとゆう、この国の制度も考えものだ。 本来、そのようなことをお言われになることのない身分のハズの皇子は… そのお生まれや、城の外でのお育ちのため… 場内での風あたりは厳しい。 …聞こえていないハズはない。 聡いあの御方が、お気付きにならないハズがない。 …それでも、お気付きにならないフリをなさっているのは、その者の命を救う為に他ならなかった。   はっきり言って… 主の影口を言っている者を放っておく程、俺の器はデカくない。 自分の敬愛する主を傷つける者を放っておく事なんて出来ないし… …そのような者を野放しにしておいて、謀反でも企まれたら、それこそ大変だとゆう最もな理由もある。 だから、命令さえあれば動くつもりでいた。 しかし、柄に手をかけた俺に… すぐ、前を行く主が、気づかないハズがない。 気づかないフリをしたのが… 我が主の答えなのだから、致し方ない。 そう、思い止まって… 柄から手を離す。 外は、すっかり白一色となり… こんこんと降り積もる外の雪に、気分は滅入る一方だった。      
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加