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゙あれが第二皇子のリイト様…?゛
゙聞いた?あの方の母親…は…なんですって。゛
声を潜めて、廊下の通路を譲りながらも侮蔑の表情を露わにするご婦人方。
上層部の家族も一緒に城で暮らすとゆう、この国の制度も考えものだ。
本来、そのようなことをお言われになることのない身分のハズの皇子は…
そのお生まれや、城の外でのお育ちのため…
場内での風あたりは厳しい。
…聞こえていないハズはない。
聡いあの御方が、お気付きにならないハズがない。
…それでも、お気付きにならないフリをなさっているのは、その者の命を救う為に他ならなかった。
はっきり言って…
主の影口を言っている者を放っておく程、俺の器はデカくない。
自分の敬愛する主を傷つける者を放っておく事なんて出来ないし…
…そのような者を野放しにしておいて、謀反でも企まれたら、それこそ大変だとゆう最もな理由もある。
だから、命令さえあれば動くつもりでいた。
しかし、柄に手をかけた俺に…
すぐ、前を行く主が、気づかないハズがない。
気づかないフリをしたのが…
我が主の答えなのだから、致し方ない。
そう、思い止まって…
柄から手を離す。
外は、すっかり白一色となり…
こんこんと降り積もる外の雪に、気分は滅入る一方だった。
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