くず

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そして私は妹に勉強を教えた。 掛け算の筆算やら簡単な問題ばかりだったので、わたしは容易く教えることができた。 「だる~い」 妹はわからないと、直ぐにうなだれるようだ。 「もうすぐだよ」 私は、ライトノベルの単行本を読みながら、妹に解き方を教えた。 あまり同じことを何回も言っていると、ノイローゼになりそうだ。 しかし、掛け算ができないとこの子は将来大変な阿呆馬鹿女に成りそうなので、ライトノベルを適当に読みながら、焦点は妹に置くことにした。 「おねーちゃん!わかんない!」 ついにこのバカは爆発したようだ。 解らないもどかしさからくるイライラを私にぶつけるな。 妹は、消しゴムを壁に投げつけたり、自分の部屋から持ってきたであろう縫いぐるみを床にばふぼふと叩き付けたりした。 「やめろ」 私は自分の顔が明らかに歪んでいくのがわかった。
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