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中間テストの期間に入った。親2人が勉強しろとうるさい。学校に居ても家に居ても、楽しくはなかった。だけど、あの喫茶店だけはすごく楽だった。自分を素直に出せる。
学校では、友達もいないからいつも本を読んだり勉強していた。だから、クラスでの私のあだ名は"がり勉"だった。遊ぶ友達がいなく暇だから勉強するというこの考えが理解されない。
休み時間。いつものように1人で勉強をしていた。今日は英語。本文をノートに写していた。とことこと誰かが近づいてきた足音が聞こえた。また前の席に座った。
「花澄ちゃん、いつも勉強しているな。すごいなぁ」感心したような表情で恵子ちゃんはそうつぶやいた。意外なことを言われて驚き、手が止まってしまった。
「ごめん、邪魔した?」申し訳なさそうな顔を恵子ちゃんはした。
「ううん、そうじゃなくて。意外なことを言われて驚いただけ」私がそうつぶやくとさらに恵子ちゃんは訊ねた。
「いつも勉強しているなって思って。俺なんか無理だし」頭をかきながらそう言った。
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