運命の出会いって信じる?

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 夕方になり、学校は終わった。お母さんはもう家に帰ってきているな。家に居ればとやかく言われる。私はいつもの場所に行った。学校から少し離れた場所にひっそりとある少しおしゃれな喫茶店。私は扉を開けて中に入った。 「いらっしゃい」オーナーが私を笑顔で迎えてくれた。 「白川さん、勉強してもかまいませんか?」白川さんはうなずいて窓際の席に案内してくれた。 ここに来たのは中学生のとき。ちょうど、ここが新しく開かれたとき。オーナーである白川さんに会い、話をして意気投合。それから毎日のようにここに通っては勉強をさせてもらっている。 「いつもすみません」コーヒーを注文して私は謝った。白川さんはコーヒーは笑った。 「いいよ。あんまり客も来ないしね。あ、それよりも新しくここで働いてくれる人を紹介するね」そう言って白川さんは1人の女性を連れてきた。髪は腰ぐらいまで伸ばしており、綺麗に括られていた。歳は私の3歳くらい上のようだ。とても可愛らしい女性だった。 「初めまして、花澄ちゃん。私は今年から働くことになった詞音。よろしくね」 「よろしくお願いします」思わず緊張してしまった。握手をしたとき、詞音さんの手はとても優しく、暖かかった。
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