8歳のクリスマス

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「ねぇ、パパ、ママ。 早く、蒼空の家に行こうよ!!」 私は、そう言って、パパとママの手を引っ張った。 「ちょっと、待って!! もう少しで、ケーキが焼けるから…。」 ママが、そう言って、可愛いイラストがついた袋に、クッキーを入れていた。 最近、聞いた話では、同じ病院で、同じ日の、ほぼ同じ時間に、隣同士の分娩室で出産して仲良くなり、退院してからも、お互いの家に、遊びに来るようになって、家族ぐるみで、仲良くなったんだって…。 それで、4歳の頃から、毎年、クリスマスになると、蒼空の家で、料理が得意な蒼空のママとお菓子作りが得意な私のママが、 腕によりをかけて、美味しい料理と美味しいお菓子を作ってパーティーをするようになったの。 「じゃあ、ママ。 私が、このクッキー、袋に入れるから、ケーキの準備してよ!!」 私は、そう言って、ママの手元から、クッキーを入れた袋をとった。 「分かった。 じゃあ、こっちは、もう入れたから、こっちの袋に入れて!!」 ママは、そう言って、もう1枚、別の袋を渡してくれた。
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