8歳のクリスマス

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ママの準備が終わると、パパが、痺れを切らしたかのように、溜息をついた。 「何で、昨日の内から、準備しておかないんだよ…ったく…。」 パパは、そう言うと、読んでいた雑誌を机の上に置いて、ソファーにかけていたジャンパーを着た。 「ごめんなさい。 昨日は、仕事が、立て込んでたから…。」 ママは、オーダーメイドで、ビーズアクセサリーを作るビーズ作家。 私が、小学校に入った頃から、自宅で、教室も開いている。 昨日の夜は、 いくつものオーダーメイドがあったらしく、ママは、今日、お客さんに、発送できるように、寝ないで作っていたらしい。 「柊木さんの家に行くのは、前から決まっていたことなんだし、ちゃんとしろ!!」 パパは、そう言って、車のエンジンをかける為に、先に、外に出た。 「あぁ…怒られちゃった…。」 ママは、そう言うと、ペロッと舌を出しながら、出来上がったケーキを台紙に乗せて、私の組立てた箱に入れた。 「準備できたし、ママ達も、行こっか。 ほら、愛泉も、ジャンパー着て!!」 ママは、そう言って、ウィンクすると、カバンに、クッキーの入った可愛いい袋を3つ入れてから、ソファーにかけていた、コートを着ると、私にもジャンパーを渡してくれた。
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