おれは女子じゃない

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そんなある日、夢帝の部屋のなか、突然。 「琉維ー」 「なんだ?」 「くすぐらせてくれ」 「一回あの世いくか?てか、いきなりなんだよ」 「だってぇ、最近つまんないしー、暇つぶしもみつかんないしー」 「だからってその選択はおかしいだろ!?」 「いいじゃん別に」 「よくねぇ!!」 「…琉維」 「な、なんだよ…」 いつもの黒い笑み。 「お前が歴史の教科書忘れたとき、俺、貸したよな?」「!」 「その時にさ、『ありがとな!この借りはいつか返す!』とか言ってぇ…」 「あれは忘れたらマジでやばかったんだよ!お前も知ってるだろ!?社会のマルキューの怖さ!」 マルキュー。本名[金丸 久太郎](かねまる きゅうたろう)。普段は優しいんだけど、忘れ物をした時はマジできつい。プリント最低10枚はやらされるからな。 「でも、貸したじゃん。まだ借り返してないじゃん。今、返せよ」 「い、いやだよ!こんな借りの返し方あるか!」 もっと早めに別の方法で返しておくべきだった!…あ、夢帝の笑みがだんだん黒く… 「今かえせっ!」 そういって夢帝がおれに飛び掛かってきた! 「うわぁ!」 かろうじてよけた。 けど。「あまぁい!!」 なんと、その場で空中一回転 。すぐに後ろから腕をつかまれた。 「わあぁっ!!」 「つっかまえたぁ~」 「離せっ!ていうか、どこのマンガだよっ!?」 「知らね」 そのままうつぶせに倒され、腰の辺りにドカッと座られた。これでは逃げることができない。 「まてっ!マジでやだっ!いやだって!!」 必死に手でふんばって夢帝から抜けようとする。 しかし、それがいけなかった。 その時に腋ががら空きになってしまったのだ。その瞬間を夢帝は見逃さなかった。 「てぇいっ」 「ひゃぁっ!!?」 体がビクンとはねる。 「俺もそんなに鬼じゃねぇ。特別に10分に負けてやるよ」 「いや、十分鬼だ…あぁはははっ!!?ちょっストップ!ストップぅひゃはははははは!!!」 言い終わる前に容赦無くくすぐり始めた。 腋を閉じても夢帝の両手がしっかり入ってるから無駄だった。 そして、10分。 「ひぃ……ひぃ……………ひぃ…」 「あー、楽しかった。って……お前…」 「ん…?」 〈夢帝の脳内〉 琉維+女子のような顔+顔赤い+汗かいてる+涙目+上目遣い= [女子のかわいさ] 「女子みてぇ…」 「はぁ?」 「なんてかわいいんだよ…まるでカノジョみたいなかわいさぐはっ!!!!」 「アホか!!死にたいのか!!」 そういって夢帝の腹に膝蹴りをいれた。
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