3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「で、でもでも!二人が仲良くならないと元の世界には戻せないんだよ?」
「元の、世界…?」
「ここは俺達が住んでいた場所ではないと?」
「もちっ!二人みたいな人達とか…お偉いさんたちがいっぱいいる世界だよ」
カミサマは突破口を見つけたと思ったのか、また意気揚々と喋りだした
「危ないから銃とか武器とかは使えないようになってるんだけど…もしかしたら、話し合いで二人が優位な位置につけちゃうかもね!イギリスのあの人も、日本のあの人だっているし」
「………わかった」
カミサマの言葉を聞いた後、ヨシフが呟いた
「ヨシフ!?」
「ここで駄々をこねても結局元の世界には戻れない、なら私は大人しく言うことを聞くよ」
「さっすがヨシフさん、話がわかる~♪」
カミサマは肘でヨシフをえいえいっと叩くが、ヨシフが殺気に満ちた目を向けたのですぐに止めた
「あとはアドルフさんだけだよ?」
「…はぁ、まさかヨシフが先に承諾するとは思わなかった」
「ってことは…」
「いいだろう、カミサマとやらの思し召しならば仕方ない」
「やったー♪」
カミサマが万歳をして喜ぶ
「じゃあ、私は帰るね!バイバイ★」
「…お前、早く帰りたかっただけじゃないのか」
カミサマは姿を消す前にものすごい早口でこれからのことを話しはじめた
「食料はちゃんと近くのスーパーで買ってね。今は冷蔵庫にあるけど」
「生活用品はバッチリだから!」
「あ、あとあと!靴脱いでね、ここ日本の部屋がモデルだから」
「なっ……(汗)」
「あれあれ~、どうしちゃったのかなヨシフさーん?」
カミサマが意地悪な顔をして焦っているヨシフを茶化す
「べ、別に…なんでもない!」
「あ、そっか~(笑)じゃ、また分からなさそうにしてたら来るから!ばいばーい♪」
言うだけ言って、カミサマは姿を消した
残されたのは、ヨシフとアドルフの二人
ここから、二人の不器用な同居生活が始まった
.
最初のコメントを投稿しよう!