856人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「久保ー。遅刻すんなよ。」
「わかってますって。あ、サリーちゃんに餌やってないんでよろしく。」
「おう。って、俺の蜘蛛じゃねーか!お前がよろしく言うな!」
朝の、こんなたわいのない会話が楽しいから、俺は朝の研究室通いがやめられない。
俺はデイパックを肩にかけて、研究室を出た。
今日は、午後から先生のゼミがある。
それまで、大して興味のない授業が続くが、それは我慢だ。
午前中が味気なければ、午後の楽しさは倍増だ。
にしても、つくづく俺は趣味が悪い。
ゲイに目覚めたかと思ったら、好みは回りから「蜘蛛男」と呼ばれる変人中年准教授で、しかもその人を押し倒したいなんてな。
最初のコメントを投稿しよう!