俺の好きな人

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「久保ー。遅刻すんなよ。」 「わかってますって。あ、サリーちゃんに餌やってないんでよろしく。」 「おう。って、俺の蜘蛛じゃねーか!お前がよろしく言うな!」 朝の、こんなたわいのない会話が楽しいから、俺は朝の研究室通いがやめられない。 俺はデイパックを肩にかけて、研究室を出た。 今日は、午後から先生のゼミがある。 それまで、大して興味のない授業が続くが、それは我慢だ。 午前中が味気なければ、午後の楽しさは倍増だ。 にしても、つくづく俺は趣味が悪い。 ゲイに目覚めたかと思ったら、好みは回りから「蜘蛛男」と呼ばれる変人中年准教授で、しかもその人を押し倒したいなんてな。
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