幼き日

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幼き日

小学二年生のときの担任の先生が、大好きだった。 少し下がり気味の眉毛が印象的な、優しい優しい先生。 いつも生徒を微笑ましげに見ていて、きっと先生は子どもが大好きだった。 怒るのは苦手だと言っていた先生は、平和主義者だった。 『この人がお母さんだったら』と、幼心に何度思っただろう。 「クラスのみんなと仲良くしましょうね」 先生は、それが口癖だった。 あの頃はただ漠然と、先生の言うことは全て正しいんだと思っていたけれど。 今になって、気付く。 先生。 「皆と仲良く」なんて無理なんだよ。
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