大切な君にひとつの秘めごと

偶然が重なる日

月曜日の朝。

珍しく、寝坊した。

原因は、前日にアラームを掛け忘れたからだった。

もうひとつ言い訳をすると、寒くて布団から出るのが億劫だったから。

滅多に寝坊なんかしないものだから　柄にもなく焦って。

テーブルの上に用意されている、いつもより少し豪華な朝食を摂るのもそこそこに

家の鍵を引っつかんで、慌てて家を出た。

いつもより一本遅い電車に乗ったから、間に合わないかも、って思ったけど

小走りしたかいあって、なんとか本鈴が鳴る前に教室までたどり着くことができた。

ほっとした気持ちを一旦落ち着かせて、教室のドアに手を掛けた。