偶然が重なる日

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教室の扉を開けると、まだ席についていない人がちらほらいる。 よかった、遅刻しなくて。 そう、安心した。 ふいに、扉に一番近い位置にいた男子と、その集団と目が合った。 彼らはこのクラスで中心メンバーで いつもなら「おはよう」と、それから一言二言声を掛けられるのに 今日は何故か、気まずそうに目を逸らされた。 いつもと違う空気を感じ取って、教室を見渡すと 大人しめの女の子達のグループと目が合って やっぱり、また直ぐ逸らされた。 やがてみんなわたしの存在を確認すると、クラス中になんともいえない空気が広がった。 なに……これ。 わたしだけが状況をつかめず、おいてけぼりだ。
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