一日の始まり

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 いつも通りみんなと朝の挨拶を交わす。  今日もみんな元気そうだ。 「お兄ちゃんまだ寝てる?」 「うん」 「昨日も遅くまでバイトだったみたい」  美帆と奈穂が答える。 「そっか、でもそろそろ起こさないとね」  ニッコリ笑って答えると、大賀が言った。 「さっき起こしに行ったけど起きなかったよ。今日は下剋上は諦めた方がいいんじゃない」  げこくじょー?と5歳ののんちゃんが不思議そうに言う。 「ううん、絶対下剋上してみせる!」 「大人気ねーの」  と大賀に言われたが気にしない。今日こそは絶対に下剋上してみせる!  さっきから何を張り切っているのかと言うと、高校二年生にして身長がわずか一四七センチの私、水沢日和(みずさわ ひより)は、小さいが故にいつも拓也にいいようにされているのである。
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