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呆然として拓也を見上げていると、私の頭をポンポン叩きながら彼は言った。
「そんなに俺に会いたかったか。うんうん。俺も早くお前の顔が見たかったよ」
そして今度は私の顎をくいっと持ち上げて、憂いの溜め息とともに。
「だが昨日も遅くまでお前の家にいていろんなことをしていたから体中痛くて痛くて」
「そっ、それは……」
ぎゅっと抱きしめられて思わず顔が赤くなる。
すると、キャーという小さな悲鳴がドアの方から聞こえてきた。
驚いてドアの方を見ると、いつからいたのか、五人が顔を覗かせていた。
「マジかよ。お前らそういう関係?」
若干顔を赤くさせた、五人の中では年長の中学三年生。大賀が言った。
先程の拓也の言動にあらぬ誤解をしていると気付いて、慌てて訂正する。
「ち、違うの!大賀君!何か勘違いしてるみたいだけど!」
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