ふぁんたじー入りしちまったぜ

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 んー、聞いた限りでは別に悪い話でもないんだが、やっぱりなる気はない。こっちを色々歩き回ってみてえし。  まあ、今は一応己(おれ)をこっちに呼び出してくれたからある程度この嬢ちゃんの為に働こうと思ってるがな。向こうでのただ旅し続ける生活にも飽き始めてたのよ、己(おれ)。偶にはこういう刺激があるといいね。刺激をくれたライラシアには感謝してるぜぃ。  人を困らせるのが妖怪の仕事ではあるが、恩を仇で返すような真似は己(おれ)ぁしねーのよ。 「…………っと、終わったわね」 「んお?」 「使い魔召喚が、よ」 「ああ、なるほど。この後はどうするんね?」 「とりあえず今日はこれで終わりよ。各自解散して明日からは使い魔も連れて登校。使い魔ではないけれどあなたにも来てもらうわよ」 「えー」 「来なさい」 「……はい」  嬢ちゃん怖いよ。  何かその笑顔に思い出すものがあるよ。  でだ、さっきライラシアから聞いたんだが、ここはどうも寺子屋みてえな所らしい。魔力(霊力の事と思われる)を持つ子供を集めて魔法(こっちは霊術・退魔術の事と思われる)やなんかを学ばせる教育機関、とのことだ。  貴族にはその魔力を持った子供ばかり生まれ逆に平民には滅多に生まれないってんで、この王立魔法学園とやらには貴族が多いみてーだな。まあ平民の魔力持ちは割合が低くとも平民の絶対数が多いからある程度この学園にもいるらしいけど。  貴族六割、平民四割。全八学年で総生徒数約四千人。うむ、規模でけえ。  魔力を持ってるかどうかはほぼ遺伝みたいだな。だから貴族に魔力持ちが多いんだろう。平民が貴族になりたかったら魔力が必要ってのもあるらしいけど。準貴族の位を得るためには魔力持ちの平民が手柄を立てる必要があるとかなんとか。
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