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* * *
ふうむ。
ふうーむ。
「ярнγо!?」
さてと、これは一体全体何事であろうか。
謎模様の放つ光で視界が赤く染まり、ようやく目が見えるようになった時己(おれ)の瞳に飛び込んできたのは、ついさっきまでとは全く別の光景であった。
己(おれ)の目の前には金髪少女。今なんか叫んでたヤツ。
妖怪以外で見たことねーぞそんな髪の色。けど妖気は全く感じない。その上何て言ったかも分からんという。なんだコイツ。
しかもここ、どう見てもさっきまで己(おれ)がいた山道じゃねー。
天井と壁で囲まれてる辺り、どうも馬鹿でかい建物の中らしい。こんなアホみたいな広さを保った建物なんぞ都に行った時ですらお目に掛かったことがねーな。
あと、他にも何十人かの人間の子供が少し離れた場所に固まっている。
……こいつ等随分髪の色がバラバラだな。赤もいる。青もいる。緑に黄色、果ては己(おれ)の狐の時の毛色と同じような銀色の奴までいやがる。
んで、逆に今の人型の己(おれ)と同じような黒髪は全然見当たらねえ。いやはや、なんだこれ。ついこの間まで黒髪以外は全く見なかったんだが。
それにこいつ等の着ている服も何かおかしい。子供たちが全員同じような服着てるってのも変わってるが、白い服の上に何か黒い外套(?)みたいのとか羽織ってやがる。
女の子供は足の出る服着てるし。ヒラヒラしてるが、あれぁ寒くねえのか?
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