記憶の旅路

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 そこは、世界の最果て。 「遠く――とても遠い場所から来たんだ」  吹き抜ける風がざわめき奏でる、木の葉歌。森の中を抜ける風が木々を揺らし、自然に囲まれていることを意識する。 「奇遇ですね旅人さん、私もすごく――すごく遠い場所から来たんです」  幹と枝葉を広々と延ばす樹木の下、微かに距離を開けて座る、一人の少年と少女。  それは、どこまでも広がる大地。白く切り立った険しい峰と、遥か彼方の山麓。不毛な荒野と実りのない土地、野犬が徘徊する荒れ果てた山道。  一体どれ程の旅路を越え、二人はここへと辿り着いたのか。  だがそれでも――星々を抱く天空の境を歩み続けてもなお、二人は未だに求むる答えを得る事は出来ない。
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