永遠ーエイエンー

6/13

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ねえ、ルカちゃん。もしかして覚えてない?」 「あのね、私は月輝。流花は男」 「違うよ、君はルカちゃんだって!幼なじみの星流。忘れちゃった?」  速足の私に『セイちゃん』は付いてくる。  飼い主が子犬に纏わり付かれてる気分、ウザい。  ホント、マジでウザい。 「アンタみたいな知り合いは記憶の欠片にも知らないわよ」  セール、なんて変な名前の奴なんか知らないわよ。  幼なじみは天敵の和音だけ……のハズ。 「あのさ、ルカちゃんと久しぶりに話したいんだけど。朝一講義ならムリだよね?」 「そんなの嘘に決まってるでしょ。メンツ的に行きたくなかっただけ。でもアンタと話す気もないから、付きまとわないでくれる?鬱陶しい。  いきなり立ち止まるとセールは面食らった顔になった。  キッと睨んでんのに、最初は呆気にとられた顔がまたニコニコと変わる。  なんか、セール見てるとムカつく。 「別に付きまとってないよ、だって道が同じだからさ」  瞳がキラキラして、それが眩しくて私は目を背けたくて歩き出した。  そこから、私とセールの間に会話はなかった。 『い~い?ルキはきょうから“ルカ”にするの。だからルカは“ルキ”ってなまえ』 『えー?でもボクは“ルカ”だよ。ねえちゃん』 『ダメっ、ルキがルカのなまえをもらうの。ルキっておんなのこじゃないって、カズコがいいってたもん』 『カズネちゃんは“カズコ”じゃないよ』 『いいから、ルキはルカのなまえがほしいの。じゃなきゃルカとはもうはなさない』 『イヤだ。わかった。ボクはルキにする』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加