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口を付けていたカフェオレをわざと音を立てて置き、席を立つ。
「私は流花じゃない、月輝よ。いいわよ、流花を紹介けてあげるわよ。残念なことに流花は男だけど、相手してくれるかもしれないわよっ」
こいつも流花がいいわけね。
もう、うんざり。
いい加減にしてほしい。
流花とセットの私なんて冗談じゃない。
何も言わず、何も言わせずその場から去った。
やめるときも、すこやかなときも、そばにいるとちかいますか?
はい。ちかいます。ねっ、ルカ。
うん、ルキ。
あの頃は流花とよく結婚式ごっこをした。
花嫁が私、花婿が流花。
牧師さん役は……、誰だっけ?
「るっきぃ」
流花とHの最中に流花の喘ぎ声で我に返る。
「もうっ、……ガマンっ、できない」
「ダメだよ?罰で気持ち良くなるなんてぇ、流花ちゃんはぁ、ヘンタイなんだね。いいから我慢しなさいよ」
「いやっ、やめてっ?……。ムリぃ」
瞳に涙を溜めて首を振る流花。
声は女の子みたいに甲高い。
どんなに乱れても、どんなに汚しても、どんなに犯しても流花はやっぱりキレイで。
「女の子みたいに喘ぎなさいよっ」
『なんで女なの?』
『なんで流花と双子なの?』
『お前が男だったらよかったのに』
付き合っていた男たちはいつも私にそう言って、私に傷を付ける。
私だってそんな聞きたいわよ。
「なんで、あんた男なの?」
「痛っ」
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