美月の去った後

4/4
前へ
/265ページ
次へ
「何だと…」 ポツリと言って怖い形相で信長は睨み、首を振り必死に信勝はお市の言葉を否定する。 「神話は所詮神話に過ぎまする」 「そのようなことを誠と信じるなど、馬鹿げた話しにございましょう」 「姉上を困らせるのはお止め成されませ」 「…お市よ…そなたは誠…俺より年下か…」 「見てお分かりに成られるではございませんか」 「市は信長兄上の妹にございます」 きっぱりと凛とした表情でお市は信長に言った。 「何様じや、俺はこの織田家を継ぐものぞ」 「年下の分際で意見するなっ!!」 淡々と物怖じしない物言いの市に、怒った信長は怒鳴りつける。 「ふぇっ…ひっく…っう…」 「うわぁあんっ、あぁん…」 信長に怒られたお市は大きな声で泣き出した。 「げっ!」 「………。」 信長はポツリと言い、信勝は顔が青ざめていく。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加