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「キザキ様、他の兵が町の子供と、もめているようで……一緒に来てくれませんか?」
次の日の朝、帝国の兵士が私のもとに寄ってきて、私に言ってきた。
そこで、その兵士と一緒に水が湧く所に行くと、確かに一人の少女が頬を膨らませながら、別の兵士に向かって文句を言っていた。
「なんで、水があるのに飲めないの?」
その少女は、大人三人に囲まれているのをものともせず、私達にそう聞いた。
「ごめんね、昨日渡した水で我慢してね」
「なんでっ? 元々皆のものだったのに!」
少女は私の答えを聞くと、更に怒った様子で文句を言った。私達はその少女の態様に困っていると、どこからか、町人が走ってきた。
「こら! この人は偉い人なんだ。ツツジ様、ルネが悪いことしました」
その町人は私にそう謝ると、ルネという少女と共に私の前を去った。その際、ルネは文句を言いながら町人に連れ去られていた。
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