6.雀と私、消える明日

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翼を失ったきみに かけてやれる言葉もなく 聞いてやれる声もない 陽に照らされるたび 怯えてる こんな風に 消えていくんだね 私のこの命も 見開かれた瞳は 潤うことをやめて 滅んでいく明日を見てた 握る手の感覚は どうか忘れぬようにと 願い続けた今日が終わる 今はもう動かない きみにだって命があったの 誰も知らないけど 私にだって命があったの ひとりで死ぬということは そこにいなかったのと同じこと だからきみの最期に 隣にいてあげたんだよ きみがここにいたこと 私だけは知ってる そして私は明日を迎えた
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