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新しい服を着てる君と話してた
川辺で交わす言葉が揺らいだ
もうすぐ夏が来る 僕らの町に
水やりを忘れて駆け出した
風に飛ばされた麦わら帽子
君は慌てて追いかけた
みんな、夏の散りばめた景色
"今ここにいるふたりが幻だとしても
僕はきみのことを好きでいる
この夏の終わりがふたりを隔てても
きっとまたどこかで夏は巡る"
また戻って来ると言って駆け出した
あとは追いかけなかった
向日葵は空を目指してた
あんなに遠い場所を
その手で何を掴めるだろう
僕も君も
おんなじ
どんなに強くなろうとしても
ふたりはあまりに不器用すぎた
水溜まりを跳ねた 素足のままで
遠く傾いた夕焼けに出会った
長く伸びた君の影が僕に触れた
君の笑顔は影に隠れてた
僕は知ってたよ ゆめの終わりを
"きみのいた場所が全部嘘だとしても
きみがいたことは嘘じゃない
この夏の終わりにきみといられるなら
僕は何も怖くないんだよ"
ふたりだけで夏のゆめを駆けてた
もう十分はしゃいだだろう
暑いから少しだけ休もう
草の床に寝転んだ
儚さだけ知らないふりをしてた
夏のゆめに
さよなら
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