第1章 世紀の天才学者

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コップの割れる音は、しなかった。 いつもと変わらない朝。 いつもと変わらない光景。 おかしなところは、どこにもない。 ロザリナが少し首を動かして床を見ると、彼女に覆いかぶさったまま顔を押さえてのけぞりながらも、男の反対の手はコップをしっかりと掴んでいた。 「ーーだからエドワードは嫌なの。」 ロザリナがそう不満をもらすのと同時に、エドガーの手に掴まれたコップが、ピキッと小さく音を立てた。
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