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コップの割れる音は、しなかった。
いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない光景。
おかしなところは、どこにもない。
ロザリナが少し首を動かして床を見ると、彼女に覆いかぶさったまま顔を押さえてのけぞりながらも、男の反対の手はコップをしっかりと掴んでいた。
「ーーだからエドワードは嫌なの。」
ロザリナがそう不満をもらすのと同時に、エドガーの手に掴まれたコップが、ピキッと小さく音を立てた。
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