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彼らは皆傭兵であった
森の『宝物』を守るために、村人たちに雇われた
「おいおい、ちょっと待ってくれないか」
その傭兵の一人が声をあげる
「俺たちが守る『宝物』ってのは、つまり、花のことなのか?」
長老はうなづく
「おいおい、そんな、たかが花に俺たちの命をかける価値があるのか?」
「違えねぇ」
「そのとおりだぜ」
他の傭兵達も次々に賛同の意をあげる
「それは、あなた方が判断することでしょう......」
長老はニコリともせずに、答える
そして、少女へと向き直って言う
「守ってくださらんか、我らの『宝物』を......」
懇願する様に老人はつぶやく
「もちろん。そのためにここに来たんだ」
少女は、ふんと鼻息をもらす
「では、もう一つお尋ねしたい。あなが、本当にこの森の『宝物』の意味をご存知かどうかを」
「いいよ」
少女は、笑顔で返す
「では、問いましょう......今年の戦いは、いつ実るものなのか、ご存知でしょうか?」
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