お菓子な国

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「いっててて・・・・・・・・あれ?」 シュバルツは仰向けから起き上がった。どこも痛くない。トラックに跳ね飛ばされたのに、どこも。場所が変わっている。いつもの通学路ではない。思いっきり飛んだの?それどころか、見たこともない場所だ。 「ニーナ?ニーナ!?・・・・誰かぁ!!ここは・・・・どこぉ!!?」 力いっぱい叫んだあと、顔の目の前に温もりを感じた。パッと目を開くと、水色の髪がきれいにくせっけになっている男の子が、顔を覗き込んでいる。よく見ると男の子の右目の周りを回るように縫い目がついている。右目の周りの肌は、移植したかのように少し茶色い。 「あの・・・ここはどこ?」 「君は新入り?どこから来たの?」 シュバルツの質問を無視して男の子は訪ねた。シュバルツと同じくらいの背丈に、白い白衣。下のボタンを一つ止めていないせいか、へそが見えている。頭には巨大なネジが刺さっており、ギョッとして後ずさった。 「新入りって、何!?その頭のネジ・・・痛そうというか、怖いというか・・・」 「やっぱり!新入りだぁ!ヴァンパイア、新入りだよう!」 男の子は大きな声で喜んでいる。シュバルツは辺りを見回した。建物と建物の間にいる。空はクレヨンでぬったように紺色になっている。落書きのような三日月が、こっちを見てにやりと笑い、背筋が凍った。どの建物も、オレンジ、茶色、紫、赤、黒など、まるで街全体がハロウィン用に建設されてしまったかのような雰囲気だ。 「新入り?まさかッ・・・・」 壁の向こうから茶色い髪の少しはねた男の子が走ってきた。裏地が深紅の黒いマント、白いシャツにループタイ。ローファーまで履いている。「ヴァンパイア」と呼ばれた男の子はシュバルツの頬を触った。
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