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「・・・・・こりゃまずいことになった・・・ここの住民が増えちゃったなんて・・・」
「住民?」
「君、死んだね。」
小さな悲鳴を漏らすと、トラックが目の前に突っ込んできたことを思い出した。信じたくないが、ゆっくりと頷いた。
「シュタイン君。この子をホムンクルスのとこにつれてったげよう。」
「仲間が増えたよ!やったね、ヴァンパイア!」
「この子にとっては嬉しくもないと思うな。僕はヴァンパイア。こっちがフランケン・シュタイン。」
「よぉろしくぅ!」
「ちょっとまって!ここはどこ?」
ヴァンパイアは少し困った顔をした。遠くから低いトーンの楽しい音楽が聞こえてくる。
「ここは・・・・ハロウィン・スロウン・ネイション。死者の国のひとつだ。君は死んでしまった・・・だから、ここに来た。僕も死んでここに来たんだ。ただ、ホムンクルスだけ違う。おいで、生き返る方法があるかも。」
「その前に、名前を決めなくっちゃ!」
シュタインはシュバルツの長いまつげと目を覗き込んだ。
「その黄色い目・・・・魔女にそっくり!!」
「魔女か。いいね。」
「名前は?」
「しゅ、シュバルツよ。」
「今日からシュバルツはウィッチに変更!」
「え!?」
ヴァンパイアはにっこり笑った。白い牙が見える。近づいてくる、ハロウィン調の音楽に、恐怖と寒気を覚えた。
「ようこそ、ハロウィン・スロウン・ネイションへ!!」
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