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翔がまず疑問を抱いたのは『イベント会社』というキーワードだ。
イベント会社は多くあるようで実はそんなにない。
県内であれば大体知っている会社が多い。
翔のイベント会社は県内でも三本の指に入るくらいの大手だ。
それに翔は営業、運営両方をこなしている事もあり、大抵の
会社の社長は知っている。
それに尾崎だ。こんな夜遅くに迎えに来るという事は、専属の運転手。
そんなに大きな会社を知らないわけないと思ったのだ。
「翔君、他で飲みなおす?」
気づくと翔のグラスは空になっていた。
来店した時の落ちた翔を見たこともあり、察してくれているのであろう。
考え込む翔を心配したのもあるが。
「あ、いいの?店・・・?」
「もう片付けも終わったよ。」
翔が考え込む間に店内はすっかり綺麗になっていた。
「キララも今日は頑張ってくれたし、もう少し寝かしておいてあげたいから一軒行こうよ。
翔君もまだまだ飲み足りないでしょ?」
そう言われると今日振られた事を思い出す。
(あぁ、今日は飲むんだった。)
キララを想ってだろう。
暖房を強め、店を閉める。
「お待たせ。さあ、行こうか。」
外で待つ翔に声をかけ、二人は街へと繰り出す。
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