悲劇か喜劇か

11/18
92人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
 二年前も今も、怪我をしたのは梨花のせいばかりではない。狭霧が未熟だったからだ。  狙われる要因は梨花にあっただろう。だが、逃れる術を知らなかったのは狭霧の落ち度だ。  狭霧は今、心の底から悔しいと思った。  札も、式の使い方も覚えた。けれどそれがなんだというのか。結局自分は、二年前と同じ。また彼女に無理をさせてしまった。 「梨花さんこそ、怪我は大丈夫ですか」 「ああ。なんか、これまでになくすぐにふさがった……」  そう言って梨花が自分のわき腹に手を当てたとき、ぐぐぅ、と小さな音がした。 「っ……」  ひくりと息を呑んで、梨花は気まずげに顔をそらした。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!