偽りの心

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声のした方を見ると、由実が中心にいる男子のほうを睨んでいた。 『藤谷、なんだよ』『菅君は、オカマなんかじゃないよ。あと、うるさい』そう言って、本を読み始めた。 その男子は、由実の机まで行く。『別に、お前に関係ないだろ!』大声で言う。だが、由実には通じないのか目を見て静かに言った 『関係ないよ。でも、男だからその話し方はダメっていうのは、どうかと思う。まして…』 フッと鼻で笑う 『…オカマとか。笑える』誰もがサッと血の気が引いた。男子の中でも、特に暴力を振るう奴だったからだ。 『お前…』ぐっと拳をつくる。しかし、それも冷やかな目で見て言った。
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