偽りの心

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悶々としながらも、学校へ行く。 そして、何も見なかった…何も知らないかのように、友人とお喋りする。 不意に友人が言った。 「私ね…今度の土曜日、図書館のあの人に…」そこでフッと言葉を切る。 「告白…するの?」声が震えていただろうか?気にする余裕はなかった。頭が真っ白になる。 コクンと頬を染めながら小さく頷く友人。 「ねぇ…応援…してくれるよね?」小さく、ハッキリと私に問いかける。 友人に私が見たことを【言う】べきか【言わざる】べきか… どっちにしろ友人を傷付ける結果は同じだけれど― 私から聞くのと、その男性から聞かされるのと… 不安そうな顔で私を見る。キュッと唇を噛む。 そして…
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