プロローグ

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ザーザー ザーザーと雨が激しく降っている 空の彼方には厚い雲が広がっていてしばらくは止みそうにない ーー憂鬱だ‥‥‥ ーーこんな天気には外に出たくないのに、出なければならない ーーまったくもって‥‥‥ 「面倒だ」 そう呟いたとき、吐息は重く、地に響いた 「ここでうだうだしていても仕方が無い。行くか‥‥‥、面倒だがな」 覚悟を決め、重い足を動かし‥‥‥ バサッ 未だに激しく降る空に向かって、洞窟から黒い塊が飛び出した 黒い塊はまるで行くべき所が分かるかのように、迷いない足取りでまっすぐに厚い雲の彼方まで飛んで行った
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