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「ウマヤド?」
「お産が始まるのが厩(うまや)だから。」
「そんな事が解るの?凄いや、僕は花を咲かせれるよ、ほら。」
2人のすぐ側の蓮の花や睡蓮の花が、ジャストタイミングで白く開いた。
「君の名は頭に尻尾の有る末法の人アタマッポウだ、いつも花が一杯だね。」
アタマッポウは名付けられたのと誉められたのとで「照れちゃう~」(吉本ギャグ)となる。
「アタマッポウ、僕はご本を書きたいんだ、だからお習字を沢山してご本も沢山読んでお外へも沢山出掛けて。」
「ふふ、沢山だらけだね。」
「あっ笑った!可愛いね。」
アタマッポウの様子を鋭く見つめていて、誉めるウマヤドは、その切れ長の大きな目に瞳を輝かせている。
「今もさ、お習字をしているんだ、こんな風に。」
ウマヤドは人差し指で空中に文字を書く。
その文字が風に揺れて消えてゆく。
「ねえアタマッポウ、君もお習字しない?」
「それって今此処で?」
「アタマッポウは生まれてからでいいよ、楽しいよ。習字は良いよ、お手紙とか書けて、自分の思いが相手に伝わるんだよ、芸術にも成る。」
「思いを伝えるっていうのだったらテレパシーで出来るからいいや。」
「この世に生まれた記念にも成るんだよ、きっと君の役に立つよ、大勢の人がそうしてる。」
「それじゃあそうしてみる。」
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