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「うわあ、ありがとう大切にするよ。」
ウマヤドはその玉を左手で固く握りしめた。
「アタマッポウ、胎のお外でも会おうね。」
「うん、約束だよ。」
2人が話し込んでいると、聖なるジェットコースターの警笛が、ライオンの咆哮のように轟いた。
ベビー達がお釈迦様に一人一人確かめられ、頭を撫でられて、次々と泉の傍らの聖なるジェットコースターに乗り込む。
2人もそうして乗り込んだ。
聖なるジェットコースターの進む距離は、地球上のリアルさでは母の産道の10㌢程である。
仏界の空間移動では1㌔近く、レールがクネクネと伸びている。
出発。
進路は燦然と七色に光り、機体を小刻みに揺らしながら加速する聖なるジェットコースターを荘厳に照らす。
地球上での移動が、座席の前の小さなグラフィックに表示されている。
3㌢程進んだ時に、アタマッポウが緊張して座席から振り返ると、来し方は慈光に包まれていた。
5㌢程進むと近くにいるベビー達もお互いが光に包まれ、眩しくて見えなくなっていった。
7㌢、ベビー達のそれぞれの座標で、お母さん達の声がこだましていて交響曲のようだ。
8㌢、ベビー達はめいめいにスイングする。
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