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その後私はどうやってこの市街地に降りて来たのかを覚えていない。
だけど私服に戻っていて、バッグの中には携帯と財布、中身は3万7千円が入っていた。
私は、もう感情が無いのだろう。
笑いたくもないし、泣きたくもない。
ただ、まっすぐ歩き続けるだけ。
この先何があってももう誰も頼らない。
そう心に決めていた。
すると、街角のフランス高級料理店から1人の男性が出てきた。
だいぶ酔っぱらっているようで足元がふらついている。
私はそんな人にも目にもくれず歩く。
ドンっ
「いたたたたたた・・・
お、君可愛いね」
「・・・」
「もし暇ならうちで働かないか?」
「・・・」
私はこっくりとうなずく。
働かなくては食べていけないのだから。
「よしよし、じゃあこっちに来なさい」
そういうと私を無理やり車に乗せた。
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