ベランダの猫と女

2/23
前へ
/23ページ
次へ
ベランダの猫と女 Act.1.0 ぼくは野良猫。 人間からは野良猫と呼ばれて忌み嫌われている。 ぼくにはとっときの場所がある。 そのとっときの場所っていうのは、女の子が住んでいるベランダさ。 おっと、勘違いしないでくれ。 人間なんかの事が好きじゃないからね。僕は猫だからさ…。 そのベランダというのがさ、とってもいいとこでさ。 太陽の光をさんさんと浴びていて床がぽかぽかなのさ・・・。 どう、考えてみたら寝そべってみたくらるだろ? でも駄目だよ。そこは僕の特等席だから! 今日さ、実はそこに人間の女が座ってたいたのよ。 ぼくはカティんときたね!ん?カチィん?咬んじゃった? いやいや。そんなの二の次だから! でね。ぼくは言ってやったのさ。 (そこはぼくの特等席だ~。撮るんじゃね~!)ってさ。 でも人間の女は驚くどころか反応さえ返してこね~。 寝てんのか?と思って顔を覗き込んだらさ・・・。 ・・・。 ・・・・・・。 目に水が溜まってたんだよ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加