0人が本棚に入れています
本棚に追加
ベランダの猫と女 Act.1.2
最近、わたしの家のベランダに野良猫が来るようになった。
野良猫は決まった時間になると塀を登ってベランダに寝転がる。
そこは、太陽の光が差して床がぽかぽかしているみたい。
野良猫はあくびをしてとても気持ちよさそうに寝転がる。
野良猫の日々ってどんなのだろう?
楽しいのだろうか・・・。それとも、苦しいだろうか・・・。
わたしが今見ている野良猫は案外・・・。
・・・見ている限り幸せそうだと思う。
わたしはこの野良猫に勝手に名前をつけた。
名前はミケ。三毛猫に見えたからである。
まだ、ミケが来る時間ではなかったのでわたしはベランダに出た。
そこは、確かに太陽の光が差してぽかぽかしていた。
床は日々の忙しさを忘れさせてくれるような暖かさ。
ここだけ時間がゆったり流れている、そんな気にさせられる。
今日、彼から別れを告げられた。
わたしは泣いた。いっぱい・・・いっぱい泣いた。
涙なんか・・・もうでないと思うくらい・・・。
そんな時、一匹の猫が近くにいる事に気づいた。
そう、ミケだ。
野良猫ミケに泣いてる顔を見られてしまった。
ミケはふいっと体をひるがえし、わたしの隣に寝転がった。
普通の野良猫なら人間の隣で寝転がったりしないものだ。
でも、ミケはわたしの手の届く隣で眠っている。
(ふふっ、ミケって結構神経図太いんだね。)
いつのまにかわたしの涙は止まり笑顔をだしていた。
最初のコメントを投稿しよう!