ベランダの猫と女

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ベランダの猫と女 Act.1.2 最近、わたしの家のベランダに野良猫が来るようになった。 野良猫は決まった時間になると塀を登ってベランダに寝転がる。 そこは、太陽の光が差して床がぽかぽかしているみたい。 野良猫はあくびをしてとても気持ちよさそうに寝転がる。 野良猫の日々ってどんなのだろう? 楽しいのだろうか・・・。それとも、苦しいだろうか・・・。 わたしが今見ている野良猫は案外・・・。 ・・・見ている限り幸せそうだと思う。 わたしはこの野良猫に勝手に名前をつけた。 名前はミケ。三毛猫に見えたからである。 まだ、ミケが来る時間ではなかったのでわたしはベランダに出た。 そこは、確かに太陽の光が差してぽかぽかしていた。 床は日々の忙しさを忘れさせてくれるような暖かさ。 ここだけ時間がゆったり流れている、そんな気にさせられる。 今日、彼から別れを告げられた。 わたしは泣いた。いっぱい・・・いっぱい泣いた。 涙なんか・・・もうでないと思うくらい・・・。 そんな時、一匹の猫が近くにいる事に気づいた。 そう、ミケだ。 野良猫ミケに泣いてる顔を見られてしまった。 ミケはふいっと体をひるがえし、わたしの隣に寝転がった。 普通の野良猫なら人間の隣で寝転がったりしないものだ。 でも、ミケはわたしの手の届く隣で眠っている。 (ふふっ、ミケって結構神経図太いんだね。) いつのまにかわたしの涙は止まり笑顔をだしていた。
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