ベランダの猫と女

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ベランダの猫と女 Act.1.7 ぼくは野良猫。 今日は、雨が降っている。 それも、土砂降りだ。 でもぼくにはそんなの関係ないさ。 あの場所を人間なんかに渡さねぇ! ぼくは早足で目的地に向かう。 人間の女はやはりそこにいた。 どうやらとっときの場所はぼくの特別席では無くなったようだ。 くっそっ! 負けたか。・・・まあいいか。 他の野良猫と比べたらいくらかましだ。 これが野良猫だったら今頃血の雨を見ることになるからな・・・。 ・・・しかしなんだな。 この人間の女超暇人なんだな。 ぼくみたいな野良猫と一緒にいて楽しいのか・・・? まあ別にいいんだけどさ。 ぼくは体に付いた水を払って人間の女の少し離れた所に座る。 ベランダから雨が降っている風景を眺める。 雨は嫌いではない。 床は冷たいがここではまた違った風景が見えてくる。 空は曇ってはいるが雨の音が水溜りに落ちてちゃぷちゃぷ音をたてる。 なぜか踊りだしたくなるような旋律だ。 (へっくしゅん!!) ぼくはくしゃみをする。 少し寒いな。 その時、すぅっと人間の女が家の中へ入っていった。 ぼくはあの悪夢を思い出した。 そう、猫じゃらしへばった事件である! 人間の女は手に何か怪しいものを持って戻ってきた。 丸くて平べったい底が少しくぼんでいる物体だ。 なんだ? 人間の女が床にそれを置く。 その物体の中には湯気がたった白い液体が入っていた。 この食欲を誘う独特の甘い香りを放つ白い液体はもしや! ミルク!!! 湯気が出ていると言うことは温かいはず。 お腹もすいていたし丁度いい。 ぼくはそのミルクをチロっと舐める。 熱ーい! ぼくはミルクを少し冷ましてから頂いた。
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