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夜、ふと寒さを感じて目が覚めた。
寝ぼけ眼のまま
「寒いよ…かぁい。」
って手を伸ばして…
ん…?櫂…?
返事が無くてようやくはっきりとしてきた視界でそこにいる筈の人物を探す。
―ピーッ
頭の中を無機質な電子音が鳴り響く。
「あ…。」
そうだった、もう居ないんだ、彼は。
「櫂…。かい。」
いくら呼んだって返事は返ってこないのに。
あぁ、ほらまた。
「たくさん、泣いた筈なのに。」
「レン、最後だ、行ってこい。」
テツが背中を押す。
僕は俯いて、ドアの前で突っ立ったまま、動かなくて。
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