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アシル、と反芻してからガートルードが口を開いた。
「それがもしや、稀代の魔術士と噂されるアシル=エトナ=バルドーか?」
「……そうだ」
答えたハンクの表情は苦々しい。威力はあるのに起動出来ない兵器を持っている気分なのだろう。
形勢逆転出来る威力があるのに、どうしようもない問題でその可能性がゼロに近いのだ。
「……噂に違わずひょろっちいな」
「そうだろう」
「見るからに気が弱そうな美人だな」
「……そうだろう」
青味がかって見えるほど白い肌。細い身体。柳眉は少し垂れ下がって気の弱さを表しているよう。
長く細い睫毛が影を落とすさまは、美しさよりも儚さを助長していた。
おまけに細く柔らかく長い髪が、さらに“気弱さ”と“頼りなさ”を表しているようだ。
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