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「模擬戦の途中で? ……ああ! あの激よわ魔術士か!」
「げっ、激よわ……」
弱いと言われてショックだったらしく、ふるふる震えている。しかしガルトはそのまま続けた。
「なんの用だよ。お前今日は訓練ないのかよ」
あくびをしながらベッドの上に起き上がったガルトは、アシルを避けて箪笥の前へと足を進める。
「それどころじゃないから来たんですよ!」
「……あーそう、俺に用なわけ?」
「用なんです! いえ、正確にはあなたではなくあれです!」
「は……?」
アシルが指差したその先には、ガルトがあの森で拾った煌めく卵が。
「……」
「……」
ガルトは視線を卵からアシルへ移すと、唐突に睨んだ。
「ひっ!?」
「……あれは落ちてたんだよ。だから拾ったやつのもんだろ」
「なっ……」
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