第一章 誕生

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「模擬戦の途中で? ……ああ! あの激よわ魔術士か!」 「げっ、激よわ……」  弱いと言われてショックだったらしく、ふるふる震えている。しかしガルトはそのまま続けた。 「なんの用だよ。お前今日は訓練ないのかよ」  あくびをしながらベッドの上に起き上がったガルトは、アシルを避けて箪笥の前へと足を進める。 「それどころじゃないから来たんですよ!」 「……あーそう、俺に用なわけ?」 「用なんです! いえ、正確にはあなたではなくあれです!」 「は……?」  アシルが指差したその先には、ガルトがあの森で拾った煌めく卵が。 「……」 「……」  ガルトは視線を卵からアシルへ移すと、唐突に睨んだ。 「ひっ!?」 「……あれは落ちてたんだよ。だから拾ったやつのもんだろ」 「なっ……」
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