45人が本棚に入れています
本棚に追加
「がぁ!離せっ!この女っ!・・・ぐあっ!」
唯が走って言ったあと、ドタドタと争うような音が聞こえてきたが、もう今は落ち着いたのか、あまり音がきこえてこない。
ちなみにオレは光の中で待っていた。
唯ははじめてあったときから目が見えなくても相手の位置がだいたい分かるらしい。
これも唯の特殊能力の一部だ。
とはいってもこんなのは本当に一部にすぎないけどな。
あ、ちなみにオレはまったく見えない。
さっき、閃光弾が炸裂したときも、まるで見えてるかのように話してたが、あれは推測だ。
やがて光 が消えて目が見えるようになると、入り口の扉の前で男はうつ伏せで寝かされていて、唯が上に乗り、男の頭には唯の銃が突きつけられていた。
「おーい、唯ー。分かってると思うけどとどめさすなよー。そいつにはまだきかなきゃいけないことがたくさんあるからな。」
光の中でまったく動くことができなかった役立たずことオレは、何もしてないが、一応偉そうに唯に言う。
いや、唯のやつがコロッと殺しちゃったらこまるからね?
さすがに人殺しは捕まっちまうからな。
「分かってるわよ。・・・で、あんたは何者?誰かに頼まれたの?」
唯はこっちを見ながら、あんたに言われるまでもないわよみたいな顔をしてから、黒スーツの男に聞いている。
聞き方は優しい感じだが、黒スーツの男に突きつけた銃の引き金から指は離しておらず、いつでも発砲できる状態だ。
最初のコメントを投稿しよう!