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「オレはコロンカンパニーのもんだ。ボスの命令でお前らを殺しにきたんだよ。」
男はあまり悪びれる様子もなく、まるでボスのためなら死ねると言わんばかりの形相と態度でそう言った。
ちなみにコロンカンパニーというのは、昨日オレたちが潜入し、宝石を盗み、警察官に追われたところだ。
さて、こうなると、こいつの処遇をどうするかだが...
「分かった。でも私たちは無闇に人を殺したくないの。だから今すぐ帰って、二度とここに手を出さないと約束しなさい。」
唯は、黒スーツの男の身体の拘束を少し弱めながら、この質問にイエスと言えば解放するわよ?と言わんばかりの態度で言う。
「分かった。約束する。」
そう言うと解放された黒スーツの男は入り口の扉を開けっぱなしにし、そそくさと逃げていった。
まぁ、今回はその処置が正しいだろうな。
ここであまり詳しく考える気はないが、コロンカンパニーというのは、日本の中でもトップクラスの企業であるダウナーカンパニーの子会社なのだ。
さっきの黒スーツの男はその子会社の飼っているマフィアなのだろう。
そして、ダウナーカンパニーと唯には、ただならぬ因縁があるからな。
だから、唯的にも、あんまり大事にしたくなかったんだろう。
「ったくもう!ああいうやつは面倒よね!閃光弾だって安くないのよ。」
黒スーツの男が帰っていった後、入り口の扉を閉めてから席に着いた唯が、銃をいじりながら言った。
「しっかし、唯は便利だよな!俺なんかまったく見えねえってのによ。」
同じく席に戻り、仕事の続きをしようと、資料を開きながら、オレが返す。
「あぁ・・まぁね。」
ガチャン!
唯が話始めると、ドアが急に開いた。
まさかさっきのやつか!?
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