琉と唯と愛

4/15
前へ
/95ページ
次へ
あそこというのは、オレたちのいきつけの喫茶店のことである。 唯の家から歩いて20分くらいのところにある。 オレは仕事着の黒スーツ、唯も仕事着のオフィスカジュアルー薄ピンクのブラウスに黒のタイトスカートだー、愛は10歳にしては、少し大人びたような私服ー無地の白シャツに黄色のホットパンツーに身を包み、 舗装された道路を歩いていく。 「こんにちはー!」 オレたちは喫茶店シャルデンのとびらをあけながら挨拶する。 喫茶店シャルデンは、小さいがおしゃれな喫茶店といったところだ。 部屋は黒を基調としており、店内にはテーブルが7つほど置いてあり、全て4人掛けである。 ちなみに今はそのうちの2つが客で埋まっている。 そして、手前にレジがあり、その横がオレたちが入ってきた入り口、一番奥にキッチンがある。 「いらっしゃい・・、あぁ琉くんと唯ちゃん!久しぶりね。あら、そちらのお嬢さんは?」 こう言ったのはここの店長、玲美おばさんだ。 奥から手を拭きながら、爽やかな笑顔で出てきてくれた。 苗字は聞いたことがない。 まぁ聞く必要もないきがするし。 そしてここの従業員は玲美おばさん1人である。 まぁ、ここは基本 常連客しかこないし、大丈夫なんだろう。 それより愛を紹介しないとな。 「久しぶり、玲美おばさん。この子は愛ちゃん。今日からうちに住むのよ。」 唯が軽く紹介した後、愛ははじめましてといっておじぎした。 「よろしくね、愛ちゃん。・・・それで、今日もあれ見てく?」 玲美おばさんは人懐っこそうな笑顔で聞いてきた。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加