琉と唯と愛

5/15
前へ
/95ページ
次へ
「うん・・。お願い、玲美おばさん。」 薄ピンクのブラウスの襟を直しながら、唯がそう言う。 「いいわよ。ついてらっしゃい。」 そう言うと、玲美おばさんは扉から、店の奥へと入っていった。 オレたちも唯、オレ、愛の順で、その後ろをついていった。 「うーん・・・。あんまりいいのはないな。」 「そうね。まぁ、とりあえず当分は依頼待ちってことでいいんじゃない?」 「琉兄、唯姉、この掲示板みたいなやつ何?」 奥は物置と倉庫のような感じで、あまりの机やイス、調理道具等が置いてある、広さ12畳ほどの部屋である。 その一角に少し大きめの掲示板がある。 その掲示板を見て呟いているオレと唯に対して、愛が問いかけた。 「これは依頼掲示板って言うのよ。この掲示板には簡単な依頼内容、予定報酬、あと玲美おばさんが独断でつけた難易度が書かれているの。」 そう、オレたちがうける依頼は愛のときみたいに直接 事務所にくるものもあるが、この掲示板からうけるものもおおくあるのだ。 そして、ここシャルデンはただの喫茶店ではなく、依頼の仲介所のようなものなのだ。 怪盗と怪盗に依頼があるものたちが、こっそりとここでやりとりをするのだ。 この前の愛の依頼はたぶん推定で難易度Dってとこだろうな。 難易度はSSSからFまであり、オレらが普段 受けるのは難易度CからEくらいだ。 難易度が高いのは、危険も高いからあんまり好まない。 まぁその分、報酬は高いんだけど。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加