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「うん・・。お願い、玲美おばさん。」
薄ピンクのブラウスの襟を直しながら、唯がそう言う。
「いいわよ。ついてらっしゃい。」
そう言うと、玲美おばさんは扉から、店の奥へと入っていった。
オレたちも唯、オレ、愛の順で、その後ろをついていった。
「うーん・・・。あんまりいいのはないな。」
「そうね。まぁ、とりあえず当分は依頼待ちってことでいいんじゃない?」
「琉兄、唯姉、この掲示板みたいなやつ何?」
奥は物置と倉庫のような感じで、あまりの机やイス、調理道具等が置いてある、広さ12畳ほどの部屋である。
その一角に少し大きめの掲示板がある。
その掲示板を見て呟いているオレと唯に対して、愛が問いかけた。
「これは依頼掲示板って言うのよ。この掲示板には簡単な依頼内容、予定報酬、あと玲美おばさんが独断でつけた難易度が書かれているの。」
そう、オレたちがうける依頼は愛のときみたいに直接 事務所にくるものもあるが、この掲示板からうけるものもおおくあるのだ。
そして、ここシャルデンはただの喫茶店ではなく、依頼の仲介所のようなものなのだ。
怪盗と怪盗に依頼があるものたちが、こっそりとここでやりとりをするのだ。
この前の愛の依頼はたぶん推定で難易度Dってとこだろうな。
難易度はSSSからFまであり、オレらが普段 受けるのは難易度CからEくらいだ。
難易度が高いのは、危険も高いからあんまり好まない。
まぁその分、報酬は高いんだけど。
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