45人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
「・・ではいこうか、蓮峰院 唯。」
ロクがそう言って、唯を連れていこうとしている。
オレと同様、麻酔が聞いてうごけない唯は、ロクに立たされ、連行されるように連れて行かれようとしている。
くそっ!
どうしたらいい?
どうしたら唯を助けられる・・?
バン!!
オレが考えてる中、唯とロクの方向へ銃弾が放たれた。
その軌道を逆算すると、撃ったのは愛だろう。
愛の方を見ると、それを隠す様子もなく、ロクとヨウのほうに銃を向けている。
あのばか!
なんとかお前だけでも逃がそうと・・
「なんだ、お嬢ちゃん?邪魔するなら容赦しないぜ?」
ヨウが腰の銃に手を掛け、愛のほうをにらみながら言った。
「・・琉兄のバカ!!」
愛が叫んだ。
「琉兄の考えてることなんかお見通しなんだから!!どうせ私だけでも逃がしてくれようとしたんでしょ?・・水くさいよ。私は琉兄と唯姉の仲間だよ?琉兄と唯姉が昨日の屋敷で私を助けてくれたように、琉兄と唯姉がピンチなら私がたすける!」
愛・・。
その気持ちだけで十分だ・・
だから逃げろ!
大切なお前だから、巻き込みたくない。
せっかく自由になったんだろ?
だから、お前は好きに生きろ・・!
「琉兄、私を信じて!琉兄が私を信じてくれるなら、私が二人を助ける!」
最初のコメントを投稿しよう!