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月島は、出来上がったばかりのハンモックに乗る。
ユキ「ちょっと!それ私の」
月島「安全性を確かめてやってるんだ」
ユキ「そこまで誰が頼んだよ?」
月島「しかし、安定感がないな」
ユキ「金持ちらしい発言」
月島「どういう意味だ?」
ユキ「ハンモックに安定感を求める発想が金持ちのバカ発言、そのままだっつってんの」
月島は、上体を起こすと、ユキをまっすぐ見つめた。
ユキ「何よ?」
月島「お前、何で、そこまで金にこだわる?」
ユキ「言ったはずよ。
生きるためには、お金がいるの」
月島「どんだけ贅沢な暮らしをしたいんだよ。身を削ってまでして」
ユキ「そろそろ降りて。
私のプライベートな時間にまで踏み込んでこないで」
月島とユキは、視線をそらさない。
月島は、溜め息をつくと、ハンモックから降りた。
月島「明日は用がある。朝食は7時に」
ユキ「かしこまりました。ご主人様」
月島は、ユキの部屋を出て行った。
ユキは、しばらく月島の出て行ったドアを見ていた。
そして、月島に抱き寄せられたことを思い出していた。
月島に引き寄せられた腰に触れる。
ユキ「まったく。何なのよ、あいつ」
ユキは、不機嫌になりながらも、ハンモックに乗ると、夜空を眺めた。
こうして、星を眺めてたら、きっといつか…
自分の汚れた心も身体も、浄化出来るかな。
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