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それからも、ユキの献身的な看病は続き、月島は体力を戻しつつあった。
二人で館内を歩いたり、敷地内を散歩したり。
食事も普通のご飯が食べられるようになって、抜糸まであと3日。
ユキは、ずっと月島に付き添い、寝る時も月島の横に簡易ベッドを出して寝た。
月島が悪夢にうなされている時は、ユキは月島を起こした。
ユキ「大丈夫?」
月島「ああ…」
悪夢は、いつも同じだった。
あの外灯の下
あの男が
ユキに襲いかかる。
ユキが刺されそうになる直前に目が覚める。
そして
ユキが無事な姿を見て、安心する。
PTSD…心的外傷後ストレス
ユキは、うなされる月島を何度も起こし、ずっと傍にいた。
ユキの兄を亡くした後、自分を支えてくれたのは、月島だった。
今度は自分が支える番だと、嬉しくさえもあった。
ユキは、眠る月島の頭を撫でる。
神様。
どうか、琉生に安らぎを。
今夜は、琉生が悪夢にうなされずに、眠れますように。
素敵な夢を見れますように。
月島のベッドの横に座りながら、頭を撫でているうちに、ユキは、いつの間にか、そのまま寝てしまった。
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