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月島「すまない」
月島は、ユキから目を反らす。
ユキは、動かない。
再び、月島がユキを見た時には、ユキの瞳から、涙がひとすじ流れていた。
月島「ユキ…」
月島は、ユキの涙を指ですくう。
月島「悪かった…」
少しの沈黙の後、ユキは口を開く。
ユキ「ねぇ」
月島「ん？」
ユキは、月島を見る。
ユキ「無事に、ちゃんと戻って来たから、返事…、聞かせてあげるよ」
月島の表情が少し強ばる。
ずっと、聞きたくて、聞きたくて、
でも、
どこか
聞きたくなかったんだ。
もし
ユキの気持ちが、自分にないという結果を知ったら、一緒にはいられない。
だったら
このまま
返事など聞かずに
一緒にいたい。
ズルいけど
一緒にいたい。
月島「いや…」
ユキ「私も好きだよ。琉生」
月島の動きが止まる。
月島「…え？」
ユキ「私も琉生が好き。
…琉生を愛してるの」
ユキの瞳から、ポロポロと涙が溢れては、シーツに吸い込まれていく。
月島「ユキ…」
月島は、キスをしようと顔を近付けた、その時、
ユキ「…でも、一緒には、いれない」
月島は止まる。
ユキ「抜糸が済んだら、琉生は元の生活に戻って。
私は…、ここに残る」
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