ユキと月島の2週間

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月島「何故だ?」 ユキの涙は止まらず、次から次へと流れていく。 月島「ユキ。教えてくれ」 ユキは、月島から顔を反らす。 ユキ「私は…汚れてる」 月島「汚れてる?」 ユキ「…琉生には、相応しくない」 月島「バカか、お前は」 ユキ「バカじゃないわ。考えてもみて」 ユキは、月島を見つめる。 ユキ「考えてみて… この先、一緒にいたら…、きっと私の素性がバレる。 私の汚さは…琉生の足を引っ張りたい人から見たら、格好のエサだわ。 私と一緒にいたら…琉生は…駄目になる」 月島「守ってみせる」 ユキ「琉生ならきっと、そう言うと思った… 守るために… 私を傷付けないために… 琉生が傷付くの?」 月島「傷付きやしない」 ユキ「そもそも、無理があったのよ。 琉生と私じゃ… 私は一生孤独で生きるのが似合ってる。 琉生は、身分が同じような、ご令嬢と一緒になるのが似合ってる…」 ユキは、自分で涙を拭うが、涙はどんどん溢れていくばかり。 ユキ「でも…」 ユキ「でも…」 ユキ「でも、どうしたらいいの? 琉生と一緒にいる時が幸せなの。 一緒にいるべきじゃないって分かってるのに…」 月島は、切なそうにユキを見る。 月島「お前は、何を心配してるんだ? 未来か? 未来を心配してたら、前に進めないじゃないか」 ユキは泣きじゃくる。 ユキ「琉、生…。 琉生が、好きで…好きで…どうしたら…いいの?」 月島「充分だ」 月島は、ユキにキスを落とす。 そのキスは、どんどん深くなっていく。 ユキ「琉生…」 月島のキスは、ユキの首筋へと降りていく。 そして、ユキの着ている浴衣に手をかける。 ユキ「琉、生…。ダメ…」 月島は、手を止めない。 ユキ「琉生…。お願い…」 ユキは、月島のキスから逃れようと、身体を捩る。 ユキ「汚れてる私を抱いたら…、琉生まで…。ダメ…」 月島「ユキ。…お前が好きだ。全部、欲しい」 月島は、抵抗しようとする、ユキの迷う手首を優しく押さえる。 ユキ「琉生…」 .
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